音・感・和 : 自然音再生の琥珀音響工芸舎
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琥珀音響工芸舎・メールマガジン【東風】
心安らいだり、思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを紹介していきます。毎月1・15日配信です。
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第8号 : 平成16年9月15日
耳を澄まして聞こえてくる自然の響き。思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを見つけてみました。
http://www.onkanwa.com/
(毎月 1・15日配信)
2004/09/15 号
ご挨拶
お勧めCD お勧めサイト お知らせ
この残暑はいつまで続くのかと思うこの頃ですが、少しずつ秋の気配を感じつつあります。先だっても夜に外出する際、久しぶりに長袖のシャツを手に取っている自分に気がつきました。そういえば、夜道を歩いていると鈴虫などの声が以前よりも大きく聞こえてくるようになったような気がします。

この季節になるといつも思い出すのが十五夜です。田舎にいるときはこの頃になるとお祭りが開催されていましたので、この季節の月夜はなんとも言えず格別のものでした。しかし本当のところは風流など解せず、ススキなどと一緒にお供えしていた月見団子が一番の目当てになっていたのでしたが (^^;)

涼しさ誘われてふらりとドライブなどに出かけてしまうことも多い季節。美しい星空や月の光と共に、ちょっと遠出をして夜景などを見に行くのも良いかもしれませんね。
お勧めCD
Live In Tokyo
Stephane Grappelli (Violin) etc
( Denon Records : 77130 )
笑顔を振りまいているヨボヨボのおじいさん。ヴァイオリンをひとたび構えると生き生きと喜びに溢れた音楽を次から次へと績ぎ出していきます。ステファン・グラッペリの演奏を聴くと人生はこれほどまでも美しく素晴らしいものなのだと感じます。

晩年の演奏を聴いていると、最高の年の取り方として憧憬を禁じえないグラッペリですが、若い頃にはかなりスタイリッシュな演奏を残しています。1930年当時のパリを席巻したギターのジャンゴ・ラインハルトとのアルバムでは「粋!伊達男!」といった言葉がピッタリです。晩年の滲み出てくる幸せ一杯の情感。それが大好きな私には、若き日ののグラッペリには、指をくわえながら「カッコイイなぁ、モテたんだろうなぁ……」と思いはするものの、いまひとつピンときません。

しかしその頃の色々な人生経験なのでしょうか (^^;) グラッペリの独特の艶っぽさは晩年に突然花開いたものではないのだろうと思います。実際、ジャンゴと花形演奏家になる前のグラッペリは、食いっぷちを稼ぐために流しの芸人みたいなこともしていたようです。そして恋人たちがひと時を過ごしているようなアパートなどの前で音楽を奏で、良いときには“おひねり”たっぷり、酷いときには“バケツの水”をたっぷり頂いていたそうです。目には見えないけどその様々な体験が、秘することで熟成されていったのでしょう。

1908年生まれのグラッペリが1990年に二度目の来日をはたした時のライブ録音がこちらです。軽やかでご機嫌!の演奏は彼の数ある演奏の中でも指折りのものです。それとお客さんに向かって「どうもありがとう」を間違えて「モ〜ド、モ〜ドアリガトウ♪」と言っても、お客様も心から楽しそうにニコニコとしている様子が目に浮かぶようです。実に心温まる最高のコンサートだったのだろうなぁと思います。
⇒ソフト情報・購入先(@TOWE.JP)・試聴可
⇒Jazz Violin Square (代表的ファンサイト)

Pres And Teddy
Lester Young (T.Sax) ・ Teddy Wilson (Piano)
( Verve : 831270 )
実は小さい頃からドリフターズの「8時だよ!全員集合」を見てジャズを聴き始めている背景がある私は、いわゆるモダンジャズというものに今ひとつ心惹かれるものがありません(^^;)ゞ それよりもカウント・ベイシーなどのノリノリのジャズバンドなどの演奏のほうがしっくりときます。

そのベイシーが一番強力なメンバーを揃えていたと言われるのは戦前です。その戦前でも中心的プレーヤーとして輝いていたのがサックスのレスター・ヤングでした。

厳格な父親の下でドラムを演奏していたことも大きな背景としてあるのでしょう。彼の演奏にはゆっくりとした曲でもアップテンポな曲でも独特のノリの良さがあります。それでいながら繊細で流れるような歌い回し。

逆にその繊細な心から軍隊に召集されると大きなショックを受け、戦後は戦前のような天才的な煌きを見せることはなくなり世を去ることになりました。しかしその戦後の彼の演奏の中で別格の評価を受けているのがこちらの作品。

メインの演奏家の邪魔にならずそれでいながら、出るところはしっかりと出るというテディ・ウィルソンの絶妙のサポートに、気持ちよく演奏しているのが目に浮かぶかのようです。レスター・ヤングの一番の特徴は『歌心』だと言えますが、リラックスした雰囲気から奏でられる歌!歌!歌 !! 柔らかく繊細で優しい演奏に包まれるとすっかり寛いでしまうことでしょう。
⇒ソフト情報・(Verve Records)・試聴可
⇒ソフト情報・購入先(HMV.co.jp)
お勧めサイト
瀬戸の夜景
実際に見える範囲、角度まで見事に再現された夜景写真の随一のサイト。サイト名として瀬戸内海の各場所の夜景ポイントが充実していますが、徐々に西にも東にも紹介している場所が広がってきているようです。javaスクリプトで自動的にスクロールされるパノラマ写真は私達の目線そのものでまるでその場にいるかのような気がしてくるほどです。紹介文も非常に丁寧で必見です。
こよなく夜景を愛する人へ
日本全国の夜景の情報のデータベースとして一番に上げられるサイト。各地の夜景スポットが写真入りで詳しく紹介されています。メーリングリストの夜景倶楽部をはじめ夜景撮影のノウハウなど貴重な情報満載ですが、携帯からも情報が検索できるモバイルサイトも併設されているのが大きなポイント。実際に車に乗ってドライブしているときなどには貴重な情報元です!
お知らせ
1989年の『悲情城市』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を獲得し、アジアを代表する監督となった台湾の侯孝賢(ホウシャウシェン)監督。その侯孝賢監督が小津安二郎生誕百年を記念し制作した作品です。ヒロイン役を演じるのは、デビュー曲「もらい泣き」がロングセラー大ヒットした一青窃(ひとと・よう)。そして浅野忠信神田の古本屋の二代目として登場します。タイトルの『珈琲時光』は「気持ちを落ち着け、心をリセットし、これからのことを見つめるためのひととき」を意味しているとのこと。

ストーリーなどについては公式ページなどが詳しいのでそちらに情報を譲りますが、侯孝賢監督は以前から大好きな監督です。感情の懐の深い、暖かく優しい眼差しに満ちた作品を撮る監督です。今回の新作は非常に楽しみにしていましたので、早速鑑賞してきました。実を申しますとそのなだらかなテンポ感に物足りなさを感じて、ひどく退屈する可能性は非常に高いです (^^;)

しかし頭で観るのではなく、空気を感じる感覚でなんとなしに観ているといつの間にか自分の心の密度が変わっていきます。言葉としては口に出さないものの、ひとりひとりの出演者が大切な人を思いやる優しい気持ち、穏やかに過ぎていく夏の風景。そのひとつひとつが、丁寧に瑞々しく映し出されています。

そしてそのすべての表現が“ちょっと”何か足りない……。その未完成の余白が逆に受け手のイマジネーションを呼ぶところがあります。そのため映画を見ているときではなく、観終わった後のフトした瞬間に一場面が蘇り、心の中で何かが花開くのです。そして感謝の涙が不意に流れてくるかのような作品です。

落ち着いたところに自分を沈静させることで充実した力を引き出されていく。それが本当のリラックス・優しさ・幸福といったものの秘訣であるかのような気がしてきます。“いつもの”日常、“普通に”生きているということ。なかなか気がつかないけど、それはとてもかけがえのない、とても美しいものなのかもしれません。

「私はこの作品で、現実に存在し目に見えるものを撮り、そこに潜んでいる、目に見えないものを浮かび上がらせることができれば、と思っています。」との侯孝賢監督の言葉。傑作とは言えないのかもしれませんが、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
⇒「珈琲時光」公式ホームページ
⇒上映案内(公式ホームページ)
編集担当:中村 聡

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