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琥珀音響工芸舎・メールマガジン【東風】
心安らいだり、思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを紹介していきます。毎月1・15日配信です。
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第60号 : 平成18年11月15日
耳を澄まして聞こえてくる自然の響き。思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを見つけてみました。
http://www.onkanwa.com/
(毎月 1・15日配信)
2006/11/15 号
ご挨拶
急に冷え込みが厳しくなってきました。これからの1〜2週間で東京でも最低気温が10℃゜を下回る日も出てくるようです。もう秋を通り過ぎて冬ですね。そう言えばあっという間に年の暮れ。今年もあと2ヶ月ないのですね。

まだまだ今年の総括をする時期ではないのかもしれませんが、お正月の予定を考えておいたほうが良いのかも。海外旅行に行かれる方は前もって準備もすすめていらっしゃるのでしょうが、年末年始の帰省準備には今からある程度の目安をつけておかないと大変です。

私個人は色々と忙しくてここのところ帰省ができていませんが、正月ののんびりとした感覚は捨てがたいもの。今年こそ帰省しようと思いつつ……。墓参りはせにゃぁいかんですね (^^;)
おすすめCD
ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第2番ハ短調
チャイコフスキー : ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
スヴャトスラフ・リヒテル ( Piano )
スタニスラフ・ヴィスロツキ指揮ワルシャワ・フィル
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン交響楽団
( DG : 447420 )
ラフマニノフの代表作のピアノ協奏曲第2番。自信を持って発表した交響曲第1番の酷評の後、名誉挽回のために作られた曲で大絶賛され、自信喪失していた作曲者が立ち直るきっかけとなった曲です。非常にメロディアスで心惹かれる美しい瞬間がたくさんありますが、作曲当時の不安定な背景もあってかやや散漫な気も。例えるならばある意味マシュマロみたいな曲。とても甘くてふわふわして芯がない。一袋全部食べてしまうと逆に気分が悪くなってしまうという(^^;)

リヒテルのピアノによるこの演奏はこれ以上ないといって過言ではない決定盤の中の決定盤。鋼のような強さとともに煌びやかなピアノの響き。それでいてタップリのロマンティシズム。伴奏に対しては難があるようではありますが、ピアノを引き立てるのにちょうどいいバランスになっていて総合的にこれを超える演奏は今もって出ていないといってよいでしょう。

一緒にカップリングされているのはチャイコフスキーのピアノ協奏曲。これも決定盤のひとつとして名高いもののひとつです。こちらはラフマニノフの伴奏とは異なって、ピアノとオーケストラがどちらが主導権を握るかの鍔迫り合いが見物です。特に3楽章はその傾向が顕著。協奏曲を共同作業による結実と見るのか、一種の異種格闘技戦と見るのか(^^) これはこれで協奏曲の醍醐味を味わせてくれる名盤です。
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ブラームス : 交響曲第1番
クルト・ザンデルリンク指揮
ドレスデン・シュターツカペレ
( Denon : COCO70490 )
ベートーヴェンの交響曲にも引けを取らない作品をとの気概でやっと完成されたのがブラームスの交響曲第1番。曲の始まりの気張りに気張った音楽を聞くとその苦心惨憺の様子が見えてくるようです。第1楽章と第4楽章はその成果として非常に雄渾な音楽となっていますが中間の第2・3楽章は穏やかで叙情性に溢れた音楽です。

指揮者のザンデルリンクによる演奏は、バランスの良さで定評あるものです。何よりも懐の深さを湛えた燻し銀の音楽は聴けば聞くほど味わい深いものです。両端楽章の大らかで腰の入った演奏も良いのですが、個人的には自然な呼吸で穏やかに歌い上げた中間楽章の美しさが素晴らしいと思っています。これ以外の演奏でも、非常に雄渾なものや華麗なもの、劇的なものなど数多くありますが、何よりもバランスの良さでいうとこの演奏が間違えのないものとしてお勧めできます。

ちなみに当録音の約20年後に録音された新盤もあり、そちらはより一層枯淡の境地。個人的には新盤も捨てがたいのですが、色々と聞いて最後にたどり着く演奏といってよいかも。万人に薦められる演奏かと言うと……(^^) 私は大好きです。
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おすすめサイト
秩父路のSL パレオエクスプレス
都心から一番近い蒸気機関車の秩父鉄道SL「パレオエクスプレス」の公式ページ。3月中旬から12月上旬までの期間 運行しています。運行情報だけでなく、ブログや車内販売の商品紹介まで。
会津のSLの部屋
JR東日本で運行しているSLとして知られている磐越西線を中心に全国のSLや鉄道の写真や動画を載せるサイト。季節を感じさせる写真と鉄道の旅を楽しんでいる様子が伝わってきます。
煙の釜飯
東日本を中心に活躍する復活蒸気機関車の写真を公開。どの写真も様々な趣向が凝らされ実に素晴らしいものとなっています。SLの質感と疾走するスピード感、背景の自然の風景は見物です。
後 記
知り合いと先だって「のだめのカンタービレ」のことで話をしました。このメルマガでも人気に便乗して紹介をしているわけですが、クラシックの演奏会や演奏家の間でもかなり影響が見られているそうです。

その話の中でひとつ興味深かったのが、演奏家が「のだめのカンタービレ」の演奏の影響を受けたりしているとのこと。思わず驚いてしまいましたがあながち間違いではないとのこと。

個人的には「何か良くわからないものを聞いている」=「高尚な趣味」という図式で彩られた権威主義が苦手なのですが、クラシック音楽を聞いている人は結構その傾向が強いのかなと思っています。日本でのクラシック音楽の受容は欧米に追いつき追い越せのコンプレックスが色濃く、過大評価されているなぁといつも思っています。そんな過大評価をせずに、もっと自然体で音楽を楽しめばいいのにと。

その教条主義・権威主義から離れて、等身大のクラシック音楽を楽しんでいるのが「のだめのカンタービレ」だと思っています。しかしその「のだめのカンタービレ」の演奏自体に影響を受けるとは……。何か本末転倒のような気もしますが、それも元々自分自身で音楽を感じて演奏していなかった権威主義の人たちにとっては「のだめのカンタービレ」もまた新しい権威になっているのかなと意地悪な見方をしてしまいそうになります。

これも自分たちの文化に取り込んで消化する過程なのかなと思いますし、お客様の反応があって舞台は存在するもの。しかし、もっと自分の音楽と感性に誇りを持って欲しいと思うことしきり。その試行錯誤の結果文化は熟成されていくものなのでしょうけれどネェ……。
編集担当:中村 聡

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