音・感・和 : 自然音再生の琥珀音響工芸舎
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琥珀音響工芸舎・メールマガジン【東風】
心安らいだり、思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを紹介していきます。毎月1・15日配信です。
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第77号 : 平成19年8月1日
耳を澄まして聞こえてくる自然の響き。思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを見つけてみました。
http://www.onkanwa.com/
(毎月 1・15日配信)
2007/08/01 号
ご挨拶
長らくの梅雨もやっと明けました。梅雨明けということで、今日の東京は暑かった!これから夏本番と思いきや早速、台風が上陸するとのこと。皆さん夏の海へ繰り出そうと思っている出鼻をくじくようですが、台風一過の後は名実ともに夏本番となるのでしょう。

皆さんの夏休みの予定はいかがでしょうか。多くの人たちが帰省を予定していることでしょう。なかなか私は帰省する機会を失っているのが残念なのですが、この季節となると故郷の鹿児島を思い出すことが多くなります。特に小学校の頃、登下校のときより道をしていた神社のざわめき。途中で通ったあぜ道の香りや光の当たり具合。特に小学校高学年の頃に感じていた風景は自分にとってとても大切な風景であるような気がしています。
おすすめCD
元ちとせ : 故郷・美ら・思い
元ちとせ ( 唄、三線 ) etc
( セントラル楽器 : C-17 )
日本全国に奄美民謡の魅力を伝えることとなった元とちせ。いまでは一頭抜きん出た実力派歌手として誰もが認める女性ヴォーカルとして知られていますが、その彼女の基盤となっているのが奄美民謡。高校一年のとき「奄美民謡大賞」の新人賞、高校三年生の時には大賞を受賞し最年少受賞の記録を残しています。その大賞を記念して録音されたのがこのアルバム。

巫女的とでも言える没入して行く情熱的な唄いっぷりはこの当時から。まだまだ若さゆえの不安定な部分や錬れ切れていない初々しさも散見されるのですが、ある意味異質なまでの凄みを感じされる部分もあります。聞いているうちにあっという間に音楽の奧底に連れて行かれるような。今の彼女がもしシマ唄を録音したとするならばもっと大きく、深々とした表現になるのでしょうが、このアルバムの中で時々煌く光の強さは何度聞いても飽きることなく虜になります。素晴らしい!
⇒ソフト情報・購入先(セントラル楽器)・試聴可

中村瑞希 : kafu
中村瑞希 ( 唄、三線 ) etc
( JABARA : JAB-31 )
中野律紀(Rikki)や元ちとせといった実力ある唄い手が全国デビューし、奄美でも若い人たちもシマ唄を学ぶ人が増えてきた中、あえて「奄美に住み、仕事をしながらシマ唄を歌いたい」と奄美に残っている中村瑞希。彼女のシマ唄に対するインタビューなどを読むと本当にこれほどまでに誠実に生きている人が今の時代にもいるのかと感嘆するほどの言葉を残しています。その誠実さが花開いたのでしょう。2005年の「民謡民舞全国大会」ではダントツの優勝で総理大臣賞を獲得。続いて2006年、日本民謡界の最高峰の「日本民謡フェステバル2006」でも優勝し、堂々たる日本一の唄い手となっています。

このアルバムはその優勝の前の2004年に行われたもので、タイトルの「kafu」はシマ唄の歌詞に頻繁に出てくる「果報(カフ)」にちなんだもの。奄美のシマ唄は芸能という枠を越えて、徳を学ぶものと言われることもあるそうです。そのことを踏まえ、人々の寿福長寿を願うということからこのタイトルになっているのだろうと思われます。そして音楽も全くその「果報」を心へ伝える演奏そのもの。ふっくらと大らかな呼吸を持ちつつ、涼風のように心地良い。ぜひとも一度お聞きいただきたい名盤です。
⇒ソフト情報・購入先(セントラル楽器)

中野律紀 : むちゃ加那
中野律紀 ( 唄、三線 ) etc
( BMG JAPAN : BVCR-17020 )
1990年「第13回日本民謡大賞」のグランプリを15歳という史上最年少で獲得。高校卒業後、上京してポップスなどへ活躍の場を移すこととなりますが、そのポップスへ活躍の場を映すその前、デビュー作としてシマ唄を歌ったのがこのCDです。日本民謡大会グランプリに輝いた優勝曲「むちゃ加那節」はじめ、「朝花」から「六調」までシマ唄の代表曲14曲を、生き生きとそして瑞々しく歌い上げたアルバム。能楽で言う「時分の花」とでも言えるこのとき、この若さであったからこそできた、ある意味奇跡的な出来ばえとも言って良い程の素晴らしさです。

最近では"中野律紀"から"RIKKI"へと改名しポップスへ活躍の場を広げています。しかしその一方で、その美声と唄の美味さが生かしきれていないような気がすることも。シマ唄も引き続き歌っているそうなので、しばらくするとより一層錬れた本格的なシマ唄のアルバムが出るのではないかと期待したいところです。
⇒ソフト情報・購入先(セントラル楽器)
⇒試聴先(@TOWRE.JP)
おすすめサイト
神社本庁
伊勢神宮を本宗とする神社本庁のホームページ。純和風の季節の移ろいを玉手箱に詰め込んだとでも言うのでしょうか。非常に綺麗なページのつくりで、様々な情報も充実しています。中でも「神道への誘い」の「日本の神話」は画像に朗読付き。紙芝居仕立てです。資料ページというよりも綺麗なパンフレットをの〜んびりと捲るぐらいの気持ちで見ると良いのかもしれません。キッズページもあり、その内容もなかなか充実しています。
神道WEB
神道の基本的な知識などを非常にシンプルにまとめたサイト。情報量はそれほど多くありませんが、神道の行事や作法などの簡単なチェックにはもってこいのサイトです。神社本庁のページはあまりに本格的に過ぎて分かりづらくなっている部分があるので、それを補うように使ってみると良いかも。
日本全国こま犬ライブラリ
神社の入り口でじっと守りを固めている“こま犬(狛犬)”を写真とともに紹介。日本各地の様々な神社の“こま犬”を紹介していますが、どれもなんとも多彩な表情。河童で有名な遠野市の常堅寺にはカッパ狛犬がいたり、思っている以上に種類があることに驚きます。皆さんのゆかりのある場所の“こま犬”を探してみてはいかがでしょうか。
インターネットラジオ
ラジオ喜界島・1ch-64k
奄美諸島 : 奄美民謡
「スイッチを入れるとシマがそこに有る」昔の有線ラジオのようにページを開くとシマ唄をオンデマンドで配信しています。流れるのは喜界島だけでなく、奄美や喜界島の島唄を常時放送しています。ランダムに曲を流していますが、もともとの曲目が多い爲飽きることなく聞くことができます。それとともに回線か安定しているのが嬉しいところ。音声もまぁまぁ。何よりも、JASRACのほとんど無法といっても良い状況下でこれだけ真心のこもったネットラジオを運営しているというのは頭が下がる思いがします。日本のネットラジオの中で最も注目すべきサイトのひとつといって過言ではないと思います。
後 記
わかっているんです。最終的にはここに戻ってくることを(^^;)

よく話をするのですが、12歳の時に海外から帰国するとバイリンガルになれませんが、13歳で帰国するとバイリンガルになることができると言われています。その理由というのが、12-13歳のときに言語を聞き分ける脳の仕組みが確定してしまうからなのだそうです。12歳までは様々な言語を同時に使いこなすことができますが、13歳になるとその柔軟性がなくなり固定化されるためなのだそうです。つまり12-13歳の間に聞いていた、使っていた言葉がその人の一生の基盤となる言葉として決まってしまう。

その話を聞いたのは大学の授業だったのですが、色々と自分なりに当てはめてみると言葉だけでなく、もっと幅広くその時期の影響は及んでいるのではと思い始めました。それというのも、言葉がなければ人間は概念化ができませんし、その概念化される言葉の音の響きに耳もまた調律されてしまうからと考えることができるからです。

そこで様々な人に12-13歳の頃に聞いていた音楽やそのときに感じていたものを訪ねてみるとやはり予想通り、特別にその人にとって無理せずにしっくりとする音楽であったり、時折ふっと立ち昇ってくる小さい頃の中心的な記憶であったりするとのこと。道を歩いているときに、ふと「ん、何かに似ているな」と懐かしさを覚える、空気の粒子感、空の色や匂いなどなど。

少なくとも私においては12-13歳の間に感じていた感覚的な記憶はすべてのベースになっている気がしています。具体的な記憶ということではなく、あくまで感覚的な部分なのですが、その頃に感じていたものと近いものと対すると不思議なまでに根っこのところから共鳴してしまいます。

世界各国の音楽を色々と興味を持って聞いてはいるのですが、前々から自覚していること。それは最終的には12-13歳の頃に耳に聞えていた音楽に戻っていくことになるのだろうな、と。そうです。その音楽は私にとっては奄美民謡なのです。

そのため私にとって奄美民謡は禁断の果実(^^;)いままではちょっと距離を置いていたのですが、今回特集のため本腰を入れて調べたところ、やはりなんとも言えない感覚が沸き上がってきます。これが“血”というものなのでしょうかネェ。それとともに、自分も充分に年を取ったのだなと感慨に浸る今日この頃。
編集担当:中村 聡

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