音・感・和 : 自然音再生の琥珀音響工芸舎
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琥珀音響工芸舎・メールマガジン【東風】
心安らいだり、思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを紹介していきます。毎月1・15日配信です。
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第87号 : 平成20年1月1日
耳を澄まして聞こえてくる自然の響き。思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを見つけてみました。
http://www.onkanwa.com/
(毎月 1・15日配信)
2008/01/01 号
ご挨拶
明けましておめでとううございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、新年です。皆さんもこれから夜を明かして初日の出を期待している方もいらっしゃるでしょう。今年は全国的に冷え込み厳しく、日本海側では本格的な雪景色となりそうな気配です。初日の出はちょっと難しいところも多い模様。

そんな中、近所の神社では夜明けに備えて香具師の皆さんが準備万端てぐすねを引いているようです。嵐の前の静けさとはこのことか ! ? いざ!いざ!いざっ ! ! 戦闘準備に備えている雰囲気がビシビシ伝わってきます(^^;) ここ何日か、近所は何か華やいだ雰囲気となりそうです。

何やらか華やぎメデタイお正月。皆さんはしばらくは寝正月?それとも有意義なお正月?くれぐれもお酒と食べ過ぎでの太りすぎには注意したいところですね。
おすすめCD
日本SP名盤復刻選集U (日本語解説)
:信時潔(北原白秋詩)交声曲「海道東征」 etc
木下保(指揮)東京音楽学校管弦楽部・合唱団 etc
( ローム・ミュージック : ANOC-6056a-61a )
戦前の日本で録音されたクラシック音楽のSP盤を復刻した6枚セットもの。来日した数々の名演奏家やベルリン・フィルを演奏したものまで貴重な音源が集まっています。中でも特筆したいのが以前、紹介したこともある信時潔(北原白秋詩)の交声曲「海道東征」です。1940年に作曲され、その翌年に録音されたものです。

日本神話を題材としたこの曲の素晴らしさは、何よりも音楽と言葉が一体となっているところ。実に美しい日本語の響きとそれに綾なす管弦楽の響き。緩やかでゆっくりとした叙情がまるで日本画の淡い色合いのように繊細な色の移ろいを描き出しています。実に平和でどこまでも安寧。

その麗しき叙情のもととなっているのは、平明かつ懐深くしっかりと足に地を踏みしめた信時潔の音楽とともに、1937年にはほとんど視力を失っていた北原白秋の詩。曲は1940年に発表されますが、白秋は1941年にはこの「海道東征」の源の土地といえる宮崎の高千穂を訪れ「ひく水に麻のをひてて月まつは清き河原の天地根元作りの家」との詩を残し、その翌年の1942年に逝去します。もともとはこの「海道東征」を第一部とする三部作を白秋は考えていたようなのですが、結果的には「海道東征」が彼の最後の傑作となったといえます。

SPからの復刻はノイズを取り過ぎると元の音・音楽が死んでしまうことがあります。ここでの復刻はノイズを下手に取ることなく元の音をかなり残しているところに好感が持てます。そして何よりも、その演奏の素晴らしさが特筆のもの。技術的にも録音にも問題があるのかもしれませんが、なぜかしらその演奏を聴いていると美しい山野、樹々の木漏れ日、遠き山に沈む夕日の色合い。静かに心の中から不意にたちのぼってくる光の淡いが感じられます。一般には薦めにくいタイトルなのですが、あまりにも素晴らしい音楽とその演奏。基本的には公共機関へ納められることを考えて作られているようなので、もし機会があったら一聴をお勧めします。
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海ゆかばのすべて
オムニバス
( キング : KICG3228 )
時代の波を受けて浮かぶ音楽。不当なまでに沈められる音楽。歴史というものがある特定の価値観から照らし出される単なる“ひとつ”の価値観から照らし出された一断面でしかないということ。しかし、世界各国の古今の民俗音楽や流行歌を聞いていると、時々の流行とは全く別に命を持ちえている音楽というのはあると言ってよいのではないかと思います。その命の源はただひとつ。音楽の音の動きのひとつひとつに嘘がないかどうか。そして誠実な心根がそこに籠もっているのかどうか。

「海道東征」の作曲家であり、「海ゆかば」の作曲者である信時潔は戦後不当に黙殺されてきた作曲家です。彼の音楽は平明でありながら日本語と日本人ならではの美質を生かすことを主題にしていたと言えるでしょう。大伴家持の詩「海行かば水漬く屍山行かば草むす屍 大君の辺にこそ死なめかへり見はせじ」に音楽をつけたこの曲は時代によって変遷する価値観によって変えることのできない名曲だと言ってよいでしょう。

ここではその「海ゆかば」を様々な視点から光を当てて演奏したものを集めています。中でも良いのは器楽のもの。さすがに歌ものは生々しさが残って最初は抵抗感がある人もいるのでしょうが、弦楽四重奏やチェロとピアノの合奏やピアノ・ソロを聴くとやはり名曲だということがわかっていただけると思います。時々の価値観によって変遷する価値観の中でも輝き続けるものはいつでも輝いているもの。それに気が付くかどうかは別問題。
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木の葉集 : 信時潔ピアノ全曲集
花岡千春 ( ピアノ )
( ベルウッドレコード : BZCS3016 )
どこか懐かしく、それでいて凛とした気品を持った音楽。懐深い叙情。それが信時潔の特徴と言えるでしょう。その美質は歌曲などに見ることができますが、残されたピアノ音楽にもその美質が生かされています。声高に語るのではなく光の具合に“フト”目を向けた瞬間、風の流れに“フト”耳を傾けた瞬間。そのときに“フト”聞こえてくるような静かな音楽。シンプルでいながら暖かい気持ちがそのまま伝わってくるような音楽となっています。

曲の出来ばえについては構成感とかいろいろな見方もあるのでしょうが、叙情の豊かさが何よりも心地よいです。音楽というよりも音の流れに身をまかせる感じでややBGM的に聞いてしまう部分もありますが、逆に風を感じるとでも言えるのでしょうか。心からリラックスして聞くことができます。名曲とは言えないのかもしれませんが、いつの間にか何度もかけている。そんな不思議さを持ったアルバムです。
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おすすめサイト
国立国会図書館 「日本の暦」
国立国会図書館が所蔵する暦のコレクションをもとに日本の暦の歴史などを紹介。日本の歴史の中でも、世界の中でも最高度の完成を示すこととなった江戸期の暦き特筆すべきもの。その江戸期に広まった大小暦(だいしょうれき)の楽しみ方のページは秀逸。知的興奮を誘います。
干支情報サイト
中国の殷の時代にその緒を見るとされる十二支。時を12に分けるという考え方を広めるために馴染み易い動物に替えて紹介したのが始まりとされています。猫が十二支にはいないのは有名ですが、チベットやタイなどではしっかりと十二支に入っているのだそうです。占いに見る十二支から干支の料理までいろいろと紹介しています。
366日・誕生花の辞典:1年間の花ことば 花言葉 誕生日の花の図鑑
四季を彩る様々な花々。その花の美しさは誕生花としてその日ごとの花が当てはめられています。その毎日の誕生花に、花言葉を添えて花のうんちくとともに紹介する図鑑サイト。個人的には自分の誕生花は(^^;)なのですが皆さん自分自身の誕生花を調べると、自分が生まれたその瞬間の季節の空気を感じることができるかも。
後 記
今年も新しい一年が始まりました。

考えてみると年が巡り、また最初からリセットして始まる“暦”というのも不思議な ものです。普段では当たり前で何も気が付きませんが、四季の移ろいとともに約 12回の月の満ち欠けで元の季節に戻る。一年で地球が太陽の周りを公転してい るからの現象なわけですが、そのような現象が起こっていることと新年となると新 しい年が全く新しい命を持って始まるという考え方はよくよく考えてみると実に不 思議。

実は“暦”というのは古(いにしえ)の人たちから伝えられた智恵の結晶でもありま す。そもそも一月という考え方も、月の満ち欠けを基準としたもの。月の満ち欠けの日数は一年の単位で見ると非常に微妙なずれを生じています。そのため本来ならば、大体30日ぐらいという1月という単位ではなく1.2.3....30.31.32....64.65....といった感じで考えていっても良いものです。それを現在の1月という単位で決めていることが不思議。

実際には身近にあったもので月の満ち欠けがわかりやすかったからなのでしょうが、もっと別の数字の数え方もあったはず。そして10進数でなくもっと違う数字の数え方だったとしたらもっとシンプルで正確な暦もできたのかもしれない。

いつもはほとんど意識されていない“暦”ですが、意外とその歴史や背景を調べていくと私たちの世界観の一番根っこを決めているものであることがわかってきます。そのことをついつい思い出す新年。一年がたってまた新しい一年が始まる。ここから全く新しい命が始まる。その毎年巡ってくる“年”。今年も無事に新しい“年”はいつものように訪れた。そう考えると何かありがたい気持ちになります。その感謝の気持ちがもしかしたら初日の出に手を合わせる気持ちなのかなと。

12月の次は1月です。よくよく考えると不思議な気持ちになってきませんか?不思議な気持ちと感謝の気持ちを持ちつつ。今年も一年が始まりました!
編集担当:中村 聡

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