音・感・和 : 自然音再生の琥珀音響工芸舎
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琥珀音響工芸舎・メールマガジン【東風】
心安らいだり、思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを紹介していきます。毎月1・15日配信です。
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第97号 : 平成20年6月1日
耳を澄まして聞こえてくる自然の響き。思わず笑みを浮かべてしまう音楽などの情報、サイトを見つけてみました。
http://www.onkanwa.com/
(毎月 1・15日配信)
2008/06/01 号
ご挨拶
今日から六月。梅雨の季節だというのに名前は水無月。東京では今日は非常に良く晴れた心地よい晴天でしたが。これからはしばらくあいにくな天気が続くことのなるのでしょう。

わたしはこの梅雨。案外好きです。この季節の雨の特徴は、雨の音がとても優しいこと。シトシトと実に柔らかい音を奏でます。人によってはダラダラと降り続くだけと言う方もいますが(^^;)このシトシトと降り続く雨の音が朝起きたときに外で響いていると夢うつつの状態とピッタリと寄り添うようになって実に心地よいものです。

そういえば近所の庭先ではアジサイが咲き始めています。傘を差しながら歩く道すがら、咲き誇るのはアジサイの花。雨は雨で楽しいものです。
おすすめCD
遊牧の叙情詩 〜 カザフの音楽 T
Various Artists
( キングレコード : KICW-85073/4 )
カザフスタンを代表する楽器ドンブラ。軽く小さく構える撥弦楽器で音も小さく素朴な音がします。弦をかき鳴らしながら歌い語るそのスタイルはトルコやバルカン半島で根付いているサズによる吟遊詩人の音楽を髣髴とさせる部分があります。それとここで紹介されているのは擦弦楽器のコブィズ。大きさは胡弓と同じぐらいですが、これほど地味な音がする楽器も珍しいとも言える音がします。

そのカザフスタンを代表する民族楽器の演奏とそれに乗せた歌声を収録したのがこのCDです。地域としては日本と大きく隔たっている地域ですが、不思議なほどに、朝鮮や中国、モンゴルよりも日本人の顔立ちとそっくりであったりするところを見ると案外、近い部分を持っていたりもするのかなと考えてみたりもします。不思議と中央アジアの音楽は一般の人が聞いても不思議な親近感を感じる部分が有るようです。その不思議をつらつら思いながら聞くと心地よい微睡みに包まれる感があります。
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風響のドンブラ 〜 カザフの音楽 U
Various Artists
( キングレコード : KICW-85073/4 )
やや憂愁を帯びつつ、声を遠い彼方へと投げかけるような歌い上げ。その晴れ晴れと広がる草原の広がりを感じさせるのがカザフスタンの音楽の魅力。やや暗い響きを持っているのになぜかしらそこには音を奏でる瞬間に対しての潔さが同居しているように思われます。その潔さが案外、散り行く桜を美しいと感じる日本人と同じ部分があったりするのかも ! ?

もともと中央アジアの中でも特に草原地帯が多いのがカザフスタン。その気候とどのように関係しているのか、日本人の私の単なる短絡的な想像力なのかはわかりませんが、彼らの音楽を聴いていると広々となだらかに続く風景を思わず目に浮かべてしまいます。気候と風景はやはり人々の心の持ちように少なからず関係しているのでしょう。その広々として清々しく広がる意識は聞いていて何かしら自由な気持ちへと誘ってくれます。
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Songs from the Steppes: Kazakh Music Today
Various Artists
( Topic Records : TS-22103 )
世界的に欧米をはじめとするポピュラー音楽の普及によってメインロードから追いやられつつある民族古典音楽。その傾向はカザフスタンでも同様なのでしょうが、古典音楽も非常に盛んに新しい活力を持って活動しているようです。そのカザフスタンの新しい古典音楽の動向を紹介しているのがこのCD。

ドンブラやコブィズを代表的な楽器とするカザフスタンですが、アンサンブルの歌になると不思議に中国かモンゴルの音楽を聴いているような雰囲気を漂わせたり、良くも悪くも意気の良い若々しい歌声が聞けたり、カザフスタンの古典音楽の今を知るにはもってこい。旧ソビエト領だというのにこれだけ東アジアの雰囲気を感じさせるのがやはり中央アジアの魅力だなとしみじみ。
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おすすめサイト
和傘職人・松田弘さん 金沢らしい美を追求 【ISHIKAWA 衣 STYLE】
雨の非常に多い地域の金沢。それだけに厚めの和紙を使ったしっかりとしたつくりが特徴とされ主要な工芸品として受け継がれてきました。その金沢和傘の職人さんも今ではひとり。その最後の職人さん松田弘さんのインタビュー記事です。読んでいるだけで和傘の良さがしみじみと感じられる素晴らしい記事です。必見です。
洋がさタイムズ : 復刻・永久保存版
1959年に創刊された傘業界紙「洋がさタイムズ」。その中で40年以上の永きに渡り日本の傘を伝えつづけた『傘の語り部』鈴木勝好氏の特別寄稿を復刻版したページ。文章ばかりのサイトなのですが、ひとつひとつの薀蓄がとても面白いです。実に貴重なサイトです。
傘立て専門店の傘立て.net
これには思わずびっくり。サイトの名称どおり、傘立てしか販売していません(^^;)しかし商品の充実振りと、販売されているひとつひとつの商品に対しての愛情に好感が持てます。それにしても傘立てもろいろとあるものなのですね。感心することしきり。
後 記
以前、会社で働いていた時期、相手にしていたお客様は職人さんたちでした。その職人さんたちの“ものづくり”。ひとりひとりの職人さんが独自の美学を持って実に美しいものを仕上げていました。 仕事を出してくれた人に渡ったときには自分が本当にこだわったところには気がついてくれないのかもしれない。しかしそれでも自分がこだわりを持っているところは自分自身の“美学”においては絶対に譲ることができない。それは他人が気が付こうが気が付かまいが自分自身の中において問題なのだ。その強烈な自尊心と意識は全ての職人さんに共通していたことでした。

その職人さんの言葉の中で感銘を受けたことは数知れず有るのですが、その中のひとつに、次に仕事を請けた職人さんには自分自身のやった仕事と仕事に対しての姿勢は全部ばれてしまうからと言った方がいました。その方は修復の仕事を頻繁にしていたのですが、その修復の仕事は実に楽しいと。

それというのも、前回仕事をした職人との対話ができるのが実に楽しいのだと仰っていました。「オレはここまでちゃんとやってんだぜ。てめぇの仕事はオレの思いをきちんと受け継いでくれるんだろうな!」とか、「あぁ、おっちゃんここで集中力きらしちゃたな(笑)」とか。

その対話が実に楽しい。誰かは知らないけど顔の見えない相手とのやり取りが実に楽しい。その対話に比べると目の前のお客さんがわかっていようがわかっていまいが関係ないのだと。

その様な人たちとずっと携わってきていただけに“ものづくり”に携わっている職人さんに対しての尊敬の念は人並みはずれたものがあります。そしてこの職人さんにおいての美意識、自分の美学に嘘は付かないという職人さんの心意気。これが日本の一番の中心の核なのだと。

最近では、“ものづくり”が軽視されがちではありますが、一方で動画サイトなどの賑わいを見ていると日本人はやはり自分なりの美学を持ってものを作り上げていくことが好きなのだとつくづく感じます。そしてその“ものづくり”は、ひと知れずわかる奴がきちんとわかってくれさえすればいいのだという気恥ずかしさと裏表になっているところ。

日本伝統の“ものづくり”は、何がなくとも素晴らしい。しかしそれとともに日本の“ものづくり”の新しい形もまた胎動しつつあるのかなと感じる今日この頃です。
編集担当:中村 聡

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