音・感・和 : 自然音再生の琥珀音響工芸舎
home | mail magazine | soft | link | internet radio | product | contact |
琥珀音響工芸舎のおすすめソフト おすすめソフトを紹介するページです。皆さんに是非とも耳にしていただきたい音楽などを新旧取り揃えて紹介します。
[ top ]   [ nature sound ]   [ japanese ]   [ world ]   [ classic ]   [ popular ]   [ jazz ]

全ての音楽の中心であるかのように捉えられがちのクラシック音楽も、実際にはヨーロッパを中心とする一地域の古典音楽。たくさんの素晴らしい演奏に目うつりがしてしまいますが、時を越えて輝きを持ち続ける演奏をご紹介します。
クラシック音楽 :  [ 1 ]  [ 2 ]  [ 3 ]  [ 4 ]
J.S.Bach : ゴルトベルク変奏曲 [弦楽合奏版]
ドミトリ・シトコヴェツキー指揮
ニュー・ヨーロピアン・ストリングス
( Nonesuch : WPCS21209 )
グールドの絶対的な演奏で知られるゴルトベルグ変奏曲。もともとは不眠症のゴルトベルグ伯爵のために書かれた作品。眠れぬ夜をやり過ごすために作られたものと言われています。この曲は、眠りを誘うものとはやや言いがたいものではありますが、バッハによる最高の品質のBGMと言っても良いのかもしれません。

グールドによる演奏は、刺激的な部分がありますが、この弦楽合奏の演奏はそのBGMとしての要素が最も生かされたものです。シトコヴェツキーの両親がグールドの演奏の愛聴していたことから、自分でも弦楽で演奏したいとの思いから編曲へと及んだようです。一見、機をてらったようでいながらその演奏は実に端整です。もともと弦楽合奏が基本だったのではないかと思えるほど自然です。実に心地良い風のように音楽を感じるお勧めの演奏です。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)
⇒試聴先(Amazon.com)



J.S.Bach : 音楽の捧げもの
クイケン・アンサンブル
( BMGファンハウス : BVCD-38132 )
フリードリヒ大王に呼ばれた席でいとも簡単に即興で6声のフーガを演奏したバッハ。後にバッハは音楽の中に王を湛える暗号(言葉遊び)を入れながら≪音楽の捧げもの≫を出版しました。その音楽をここで演奏しているのは、古楽演奏でその緒となり名演奏家として名高い、クイケン三兄弟とコーネンが演奏したものです。

1974年にグスタフ・レオンハルトとともに演奏した同曲の演奏も高い評価を受けていましたが、それよりもより自在に豊かな感興を持つ演奏となっています。古楽演奏では学究的な要素を強めた結果、いまひとつ面白みに欠けることがありますが、この演奏ではそのような影は全く見られません。それも、クイケン兄弟たちが長年この曲を演奏し続け自らの物としているからこそなのでしょう。音楽する喜びが全編を包んでいる名盤中の名盤。≪音楽の捧げもの≫を聞くとき、一番最初に手に取って間違いのない演奏です。ライナー・ノートも充実しています。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)
⇒試聴先(Amazon.fr)



J.S.Bach : フーガの技法
Savall & Hesperion XX
( ALIA VOX : AV9818 )
バッハの最後の作品として、未完で終わった≪フーガの技法≫。演奏する際の編成が示されていないため、様々な編成での演奏が残されています。チェンバロやオルガンでのソロ演奏が多いのですが、小編成での合奏なども出ています。その中でも異色作でありながら高い評価を受けているのがサヴァールと Hesperion XX によるもの。管楽器とヴィオラ・ダ・ガンバの各4人の編成による演奏です。

この曲は、バッハの技術の限りを尽くしたものであるだけにある意味とっつきにくいものとなりがちです。しかしこの演奏は、ゆったりとしたテンポで最高のルネッサンス音楽を聞いているかのようです。単純で簡単なメロディーが管楽器とヴィオラ・ダ・ガンバが交互に絡みつつ、浮かんでは消え、消えては浮かんできます。辺に各楽器が溶け合わないことが逆に、様々な音色で空間に千変万化の様相を描き出していると言えるでしょう。実に高雅というか幽玄な名演です。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)
⇒試聴先(Amazon.de)



モーツァルト : ピアノ協奏曲第19番・27番 etc
クララ・ハスキル (Piano)
フェレンツ・フリッチャイ指揮バイエルン国立管 etc
( POLYDOR : POCG-3642 )
悲しいものから天国的な美しさを持つ曲までモーツァルト。その中でも名曲として知られる「ピアノ協奏曲第20番」。この曲の第二楽章などとても好きなのですが、一番私が好きなのはクララ・ハスキルのもの。特に、パウムガルトナーとフリッチャイの指揮のものがお勧めです。

しかし、今回紹介するのは「ピアノ協奏曲第27番」。モーツァルトには、光と影があるとよく言われます。もちろんその光と影は表裏一体なのですが、この曲は、モーツァルトの光の部分、その天使的な“美しさ”が生かされたものとなっています。

この曲の演奏でも一番のおすすめはやはりハスキルのもの。ハスキルは、闘病のため長い間演奏活動ができずに本当の意味で活躍できたのは晩年の10年間でした。繊細でそっとくるまれて粒たったピアノの音。ひっそりと耐えているようでいながら自由、華奢なようでありながらしなやかな芯の強さ。それでいてちょっといたずらっぽい表情……。

ハスキルの演奏は光の当て方で一瞬にして見え方が変わってしまいます。その常に換わり続ける繊細さは、モーツァルトで一番発揮されています。無色でありながら思いの詰まった……、もしかしたら詰まっていないのかもしれない。聞き手が不意に問いかけることで、喜びが与えられる演奏。それがモーツァルトの最後のピアノ協奏曲にとって一番うれしい表現なのかもしれません。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)
⇒試聴先(Amazon.com)



モーツァルト : クラリネット協奏曲 etc
エリック・ホープリッチ (バセット・クラリネット)
フランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラ
( GLOSSA : GCD921107 )
現在のクラシック音楽界では作曲された当時の楽器を使って演奏する古楽器演奏が非常に盛んになっています。私は、正しい演奏であるかどうかよりも、良い演奏であるのかどうかが重要だと思っているので、懐疑的な部分が強いのですが、何人かの演奏家では“良い演奏”に出会うことがあります。

そのひとりがフランス・ブリュヘン。彼の指揮する18世紀オーケストラでは、時代考証にとらわれることなく非常に彫りの深い演奏を聴くことができます。中でも一番のおすすめがこちらのクラリネット協奏曲。

モーツァルトの中でも大好きな清くのひとつなのですがなかなかお気に入りの演奏が見つかりませんでしたが、これには満足でした。ここで演奏されるクラリネットは、低音域を拡大したバセット・クラリネット。そのふくよかで懐の深い響きが、モーツァルトの最後の協奏曲の透明で明るい悲しみ?をそっとそよぐ風のように演奏しいます。

光と影。それは、ある程度の彫りの深さがあって、引き出されるものです。ふっくらとしたクラリネットの響きと堀の深い指揮者。その両者が互いの良さを引き出すことでこの名演は生まれたといって良いのでしょう。音楽の奥底を覗くとモーツァルトの悲しみも見え隠れしますが、軽く聞き流してももたれることのない名曲です。一聴をお勧めしたい演奏です。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)
⇒試聴先(Amazon.com)



モーツァルト : ディヴェルティメント第15番・
第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル
( POLYDOR : POCG-20032 )
もともとカラヤンは真面目に聴くことがなかったのですが、その考えが大きな間違いだと気がついたのは、カラヤンが最後の日本公演をしたときでした。

フン (`へ') と文句を言いながらしっかりとFMでの生放送を聞いていたのですが、そこで流れたのがモーツァルトの交響曲29番。これには、もうビックリの一言でした……。もうその美しいこと美しいこと、そして音楽が自由で闊達なことといったら……。

それ以来、カラヤンを真っ直ぐな眼で見るようになりましたがどうやら彼の晩年は達意の境地であったようです。実際、私が耳にした演奏でもベルリン・フィルの演奏家たちが演奏後に「とうとうカラヤンがモーツァルトの演奏を成し遂げた!」 と大騒ぎだったそうです。

ここで紹介するのは、その日本での演奏の前のものですが、実に素晴らしい演奏をしています。厚手の豪華に輝く響きを基にしながら生き生きとした自由さを感じさせる演奏。特に、ゆっくりと音楽が流れるところなど実に素晴らしいものです。

メインの「ディヴェルティメント15番」は手放しで絶賛なのですが、有名な「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」については多少???の部分も。それでも「ディヴェルティメント15番」があまりにも素晴らしいのでお勧めしたい一枚です。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)
⇒試聴先(Amazon.de)



ベートーヴェン : 荘厳ミサ曲
オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管&合唱団
( EMI : 5675472 )
この曲のこの演奏については、ヨーロッパ古典音楽の範疇を超えたものではないかと思います。「重要なのは信じることではなく、故なき生を信じようと意思することである」ことを伝えている気がします。

指揮者クレンペラーの信仰心の発露とも言われることもあるようですが、一神教のキリスト教では「故なき生を信じようと意思する」という信仰形態はありません。実際クレンペラーは、この演奏の時には「信仰心と宗教は全く別物だ」として無宗教になったことを告白しています。そのことから鑑みても、異形の演奏としか言いようがないものです。

演奏の素晴らしさは言うまでもないのですが、録音は問題があります。どうやら、本録音の前に録ったテスト録音をそのまま使っているようです。音に問題があっても演奏の素晴らしさを採って発売した決断は英断でしょう。しかしその決断を導いたのも、この演奏が一般的な枠にはめられないほど異形のもので、偉大な演奏だったからなのでしょう。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)
⇒試聴先(Amazon.com)



ベートーヴェン : 交響曲第4番&第7番
ピエール・モントゥー指揮ロンドン交響楽団
( ユニバーサルクラシック : UCCD3373 )
1875年パリ生まれのモントゥー。何よりも彼の演奏活動で知られているのは、大スキャンダルとなった1913年のストラヴィンスキー「春の祭典」初演を務めたことです。またブラームス本人の前で演奏したこともあるという歴史上の人物でもあります。1963年には日本に来日し1964年まで精力的な活動。その来歴を知ると遠い時代の作曲家が案外今の時代にも繋がる存在であったということが見えてくるような気がします。

肝心の演奏ですが、「舞踏の聖化」とも呼ばれるベートーヴェン:交響曲第7番が実に素晴らしい演奏です。一点の迷いもなくキビキビと音楽が進行し、演奏家が盛り上げるのではなく音楽自体がいつのまにか白熱していくといった演奏です。曲の等身大の姿を描きつつ、最大限の形でそれを生かしきっている。最高のバランスと中庸の美学。あまり知られていない演奏ではありますが、知る人ぞ知る決定版の一枚だといってよいでしょう。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)
⇒試聴先(Amazon.com)



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番・第31番・第32番
ルドルフ・ゼルキン ( ピアノ )
( ユニバーサル : UCCG-9481 )
SP時代からアドルフ・ブッシュ(violin)との共演で知られていたルドルフ・ゼルキン。正統的かつ篤実な演奏で、ベートーヴェンやモーツァルトなどのオーソドックスな曲目で素晴らしい演奏の数々を残しています。その中でも、84歳にして残したベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタ集は、至高のものです。

ピアニストの前に、演奏の上でも、曲の内容でも大きく立ちはだかる名曲として知られる後期ピアノ・ソナタ。ゼルキンは、一気にライブでこの曲を演奏しています。もともと、放送録音として録音されたものの、演奏があまりにも素晴らしいため、演奏に手を加えることなく発売された事でも知られています。

もちろん年齢による指のもつれやミスタッチもあります。しかしそれ以上のものがここにはあります。ゼルキンの誠実で穏やか、それでいてがっちりとした芯と骨の太さが兼ね備えられています。その相反する要素が、静かな湖面に映っているかのようです。すべての曲が絶品ですが中でも、32番の最終楽章の滋味溢れる演奏はゼルキンが最後辿り付いた、もののあわれを感じさせる最高の演奏です。
⇒ソフト情報・購入先(Amazon.co.jp)



ブラームス : 交響曲第1番
クルト・ザンデルリンク指揮
ドレスデン・シュターツカペレ
( Denon : COCO70490 )
ベートーヴェンの交響曲にも引けを取らない作品をとの気概でやっと完成されたのがブラームスの交響曲第1番。曲の始まりの気張りに気張った音楽を聞くとその苦心惨憺の様子が見えてくるようです。第1楽章と第4楽章はその成果として非常に雄渾な音楽となっていますが中間の第2・3楽章は穏やかで叙情性に溢れた音楽です。

指揮者のザンデルリンクによる演奏は、バランスの良さで定評あるものです。何よりも懐の深さを湛えた燻し銀の音楽は聴けば聞くほど味わい深いものです。両端楽章の大らかで腰の入った演奏も良いのですが、個人的には自然な呼吸で穏やかに歌い上げた中間楽章の美しさが素晴らしいと思っています。これ以外の演奏でも、非常に雄渾なものや華麗なもの、劇的なものなど数多くありますが、何よりもバランスの良さでいうとこの演奏が間違えのないものとしてお勧めできます。

ちなみに当録音の約20年後に録音された新盤もあり、そちらはより一層枯淡の境地。個人的には新盤も捨てがたいのですが、色々と聞いて最後にたどり着く演奏といってよいかも。万人に薦められる演奏かと言うと……(^^) 私は大好きです。
⇒ソフト情報・購入先(amazon.co.jp)
⇒試聴先(amazon.com)
クラシック音楽 :  [ 1 ]  [ 2 ]  [ 3 ]  [ 4 ]
[ top ]   [ nature sound ]   [ japanese ]   [ world ]   [ classic ]   [ popular ]   [ jazz ]