音・感・和 : 自然音再生の琥珀音響工芸舎
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琥珀音響工芸舎のおすすめソフト おすすめソフトを紹介するページです。皆さんに是非とも耳にしていただきたい音楽などを新旧取り揃えて紹介します。
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全ての音楽の中心であるかのように捉えられがちのクラシック音楽も、実際にはヨーロッパを中心とする一地域の古典音楽。たくさんの素晴らしい演奏に目うつりがしてしまいますが、時を越えて輝きを持ち続ける演奏をご紹介します。
クラシック音楽 :  [ 1 ]  [ 2 ]  [ 3 ]  [ 4 ]
New Year's Concert in Vienna 1987
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィル
( DG : 4776336 )
1987年。生涯で一度だけカラヤンが「ニュー・イヤー・コンサート」に出演したときの演奏です。この演奏会の前、病気で倒れたカラヤンは、実際にコンサートに出演するか心配されていました。その復帰を祝った演奏会でもあります。

演奏は、それまでのカラヤンからは想像できないほど自在です。実際、カラヤン自身も「私はこの演奏会で指揮者はただ立っているだけで良いことを初めて知った」と語っています。

音楽を作るのではなく、音楽が「成っていく」。その境地にまで達したこの演奏会以降、最後の二年間カラヤンはどれも達意の演奏だと言えます。
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マーラー : 交響曲第8番「千人の交響曲」
エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送響etc
( DENON : COCO70401 )
「なべて移ろいゆくものは比喩にほかならず。足らわざることも、ここにて高き事実となりぬ。名状しがたきもの、ここにて成しとげられたり」。

「おれは瞬間にむかってこう言っていい、『とまれ、おまえはじつに美しいから』」

この二つの言葉は、この「千人の交響曲」の主題となったゲーテ「ファウストの」の言葉です。曲全体については感心しませんが、所々にヨーロッパの精神の実相を読み解く鍵が散りばめられていると思います。特に第二部の最後の15分間は充実しています。

このインバルの録音は、過不足のない安定した録音です。本来ホールで聞く音に近く、シンプルでありながら非常にクオリティの高い録音をしています。演奏の練れ具合も加味して考えると、この曲の本当のスタンダードだと思います。
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ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第2番ハ短調
チャイコフスキー : ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
スヴャトスラフ・リヒテル ( Piano )
スタニスラフ・ヴィスロツキ指揮ワルシャワ・フィル
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン交響楽団
( DG : 447420 )
ラフマニノフの代表作のピアノ協奏曲第2番。自信を持って発表した交響曲第1番の酷評の後、名誉挽回のために作られた曲で大絶賛され、自信喪失していた作曲者が立ち直るきっかけとなった曲です。非常にメロディアスで心惹かれる美しい瞬間がたくさんありますが、作曲当時の不安定な背景もあってかやや散漫な気も。例えるならばある意味マシュマロみたいな曲。とても甘くてふわふわして芯がない。一袋全部食べてしまうと逆に気分が悪くなってしまうという(^^;)

リヒテルのピアノによるこの演奏はこれ以上ないといって過言ではない決定盤の中の決定盤。鋼のような強さとともに煌びやかなピアノの響き。それでいてタップリのロマンティシズム。伴奏に対しては難があるようではありますが、ピアノを引き立てるのにちょうどいいバランスになっていて総合的にこれを超える演奏は今もって出ていないといってよいでしょう。

一緒にカップリングされているのはチャイコフスキーのピアノ協奏曲。これも決定盤のひとつとして名高いもののひとつです。こちらはラフマニノフの伴奏とは異なって、ピアノとオーケストラがどちらが主導権を握るかの鍔迫り合いが見物です。特に3楽章はその傾向が顕著。協奏曲を共同作業による結実と見るのか、一種の異種格闘技戦と見るのか(^^) これはこれで協奏曲の醍醐味を味わせてくれる名盤です。
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ガーシュウィン管弦楽曲全集
ウェイン・マーシャル ( 指揮・ピアノ )
オールボー交響楽団
( Virgin : 5620562 )
1961年イギリス生まれのウェイン・マーシャル。オルガニスト、ピアニスト、指揮者と多彩な活躍をしている演奏家です。ここで演奏しているのはガーシュウィンが残した管弦楽曲をデンマークのオールボー交響楽団で録音したものです。ウェイン・マーシャルは指揮者とともにピアノも演奏しています。

ガーシュウィンはとても大好きな作曲家でどの演奏が良いかと色々と探していたのですがどれもいまひとつ弾けていない、ノリが良くないと不満が残っていました。しかしこの演奏はそんな不満をほぼ解消してくれた初めての演奏でした。非常に洗練された音楽に仕上がってはいるのですが、何よりも管楽器がジャズ・バンドの音でノリまくっているのです。心の底から実に楽しげにスウィングしています。他の演奏ではどうしてもクラシックということで乙に澄ましているのを感じていましたがここでは、そんな部分は全くありません。すべての曲が最高の演奏で絶対のお勧めです。
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プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(抜粋版)
マイケル・ティルソン・トーマス ( 指揮 )
サンフランシスコ交響楽団
( RCA : 82876.59424 )
最近ではBGMで様々な場面で使われる「モンタギュー家とキャピュレット家」(このCDでは「騎士たちの踊り」)を始め名曲揃いのプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」。1995年にサンフランシスコ交響楽団に着任したマイケル・ティルソン・トーマスが自ら組曲を編纂し、ライブ録音した演奏です。

まずは技術的にも難しいこの曲が完璧なアンサンブルとともに演奏されているのが驚きです。元々この曲は全曲を聞くとお腹一杯になってしまうので組曲に編集されたものが多くあります。しかしいままでの組曲の場合はストーリーと関係なく編纂されているのが残念なところでしたが、ここでの演奏はストーリーに対しても目を配りつつ編纂しているのが嬉しいところです。

そして何よりもこの指揮者の特性であるしなやかで瞬発力のあるリズム感と清潔な歌いまわし。颯爽とした音楽のつくりがこの曲の魅力を最大限に生かしています。野卑な迫力とともに繊細で憧れに満ちた響きが渾然一体となっている素晴らしい演奏です。
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Fritz Kreisler : 自作自演集
フリッツ・クライスラー (ヴァイオリン)
( EMI : 7647012 )
SP録音期の演奏家は素晴らしい演奏家がたくさんいます。特に器楽奏者では、どの演奏家も聞いていて幸せな気持ちになる人たちが多いです。

中でも、クライスラーは別格の存在です。録音は時代を感じさせる部分がないわけではありません。しかしその古い録音だからこそ聴くことのできる率直な音に耳を傾けると、つきることのない優しさに心があっという間にほぐれていきます。

思わず懐かしい気持ちが溢れ出てくる「ロンドンデリーの歌」をはじめ代表的な演奏がピックアップされています。他にも数多く、クライスラーの演奏は販売されていますが、この小曲集などを聞くだけでも幸せな気持ちになるに違いないでしょう。
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ホルショフスキー カザルス・ホール・ライヴ 1987
ミエチスラフ・ホルショフスキー ( ピアノ )
( BMGジャパン : BVCC34130 )
チェロの大巨匠として名高いパブロ・カザルス。そのカザルスとも頻繁に室内楽を演奏し、100歳になるまで現役のピアニストとして活躍していたホルショフスキー。そのホルショフスキーが、盟友カザルスの名を冠した御茶ノ水“カザルス・ホール”の柿落としのため95歳にして初来日し、演奏を行ったすべての記録がこの2枚組みのCDです。

最初の曲の「バッハ : イギリス組曲」では、まだ指が温まっていないのか所々音の粒が揃っていないところもあります。しかし、途中からは年齢を全く感じさせずに、バッハならではの多声部を見事に描き分けています。その後のモーツアルト、ショパンも間の取り方が実に自然で素晴らしいという言葉以外に何も出てきません。

それ以上に何よりも素晴らしいのが、2枚目に収められたアンコール集。地味でありながらも底光りするふくよかで透明な輝き。その衒いの無いまっすぐなピアノの音が空間に浮かんでは消え、浮かんでは消えていきます。その音の浮揚から、ふと我に帰ると幸福感がジンワリと体の中から染み出してきます。

美しく老いた達人が成し遂げた境地。絶品です。
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ドビュッシー:前奏曲第1巻/ベルガマスク組曲
アナトリー・ヴェデルニコフ ( ピアノ )
( コロンビア : COCQ83658 )
ソビエトの音楽関係者の間では誰もがその実力を認めていたヴェデルニコフ。その実力にもかかわらず、最晩年まで海外で全く紹介されることが無く、「悲劇の巨匠」、「悲運の名ピアニスト」と呼ばれていました。彼にとって、日本はまさに憧れの国でした。

1920年にハルピンに生まれたヴェデルニコフ。13歳にして神童の名を欲しいままにし、15歳の時には一年間東京に滞在し、活発な演奏活動を行っていました。しかし翌年、ソビエトに両親と共に帰国するも、父親はスパイ容疑で射殺され、母親は収容所送りになります。その苦難の中でヴェデルニコフは音楽をより深めていきます。しかし、ソビエト当局が危険視していた音楽を頻繁に演奏したことと併せ、彼は当局から完全に目をつけられることになり、国外で演奏することはありませんでした。

しかしようやく1980年代から国外での演奏会が行われるようになります。そして若き日の思い出が残る日本への念願の再来日を目前にした1993年。やっとこれからの本当の活躍が望まれる中で逝去しました。このCDは、ヴェデルニコフの最晩年となった1989年のライブ演奏です。

このCDの最大の聞き物は、トラック10の「沈める寺」です。それ以外の曲も素晴らしいのですが、この「沈める寺」は格別です。静かでありながら、ひたひたと迫り来る雄大な陽炎。ただひたすらに透明で、静かな風景。音楽が盛り上がってもその静かな深みから揺らぐことはありません。この静かな深さは格別です。知る人ぞ知る名ピアニストですが、絶対のお勧めです。
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Gigli The Very Best Of Singers
Beniamino Gigli (Tenor)
( EMI : 5850932 )
パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラスの三大テノール。日本で何度も大々的な公演が行われたのでご存知の方も多いと思います。その甘く輝かしいテノールの魅力に虜となった方もおいででしょう。しかし、私としたらこの三大テノールまだまだ ( ̄ー ̄)ゞ

実は高校時代、声楽を習っていました。そのとき教材としていたのがイタリア古典歌曲。そのときに痛感したのが、いかに日常語の延長線上に乗った形で発声することが難しいのかということ。喉を完全に開ききることで、詩の内容、心の動き、それに合わせた歌い回しは「自然」になっていきます。しかし何についても自然であるということは至難です。

その難しさを知っているため、ちょっとでもヴォイス・コントロールに傷があると駄目出しをしてしまいます。三大テノールであってもそれは同様です。変にその辺が潔癖になってしまったので、現在では声楽はまず聴かなくなっています。しかし唯一、私が心地よく聴くことのできるのがここで紹介するベニャミーモ・ジーリです。

1890年イタリアで生まれたジーリは、カルーソー以後の最高のイタリア・テナーと1920-1950年代まで活躍しました。咽喉が開ききった全くストレスのない甘く柔らかい声。そして優雅で高貴な歌いまわしと端正に曲をまとめ上げていくその解釈。表情を付け過ぎず歌い過ぎず、しかしギッチリと中身を詰めて。どこを取っても、甘いだけではなく、芯があって柔らかい最高のテノールです。

もちろんもっと野太くドラマティックなテノールも悪くありません。しかし、高雅なテノールをお聞きになりたいならば、彼の歌は一度だけでも耳にしてみると良いと思います。
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