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古今亭志ん生 名演大全集 (37) 心中時雨傘 (上) (下) / 稽古屋 |
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| 古今亭志ん生 ( 古典落語 ) |
| ( ポニーキャニオン : PCCG00729 ) |
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落語を語る上で絶対にはずせない名人が古今亭志ん生です。天衣無縫で型にはまらない芸は今でも他を寄せ付けない魅力を放っています。その志ん生による落語は面白おかしい落語ばかりに光が当たりがち。しかし一時期、講談師もやっていただけに人情話をとても大事にしていたようです。
数ある志ん生の人情話の中で白眉と言えるのがこの「心中時雨傘」。内容は縁あって夫婦となった二人が生活を苦に手を取り合って心中を遂げると言う悲劇的なもの。かなりマイナーな噺で内容も悲劇的な結末だけにほとんど知られていないと言ってよいでしょう。お笑いの神様の志ん生からは最もかけ離れた噺のように思えますが、ここでの志ん生はいつものクスグリは全くなく、ヒタヒタと静かに広がっていく悲しみを切々と語っていきます。
もともとムラッ気の多い志ん生。手を抜いておざなりでやっているもかなり多いのですが、ここでの志ん生は本気中の本気。志ん生の芸の深みをまざまざと伝える最高の噺となっています。志ん生はこれほどまでに凄い噺家だったことが分かります。是非一度聞いてみることをお勧めします。
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特選落語名人会30 三代目 三遊亭小圓朝 転宅 / かつぎ屋 |
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| 三遊亭小圓朝 ( 古典落語 ) |
| ( キングレコード : KICH3160 ) |
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昭和落語の名人は誰なのか。桂文楽、三遊亭圓生、そして古今亭志ん生。それぞれの魅力がありますが、三遊亭圓生を名人と称する人が多いのが一般的な傾向かなという気がします。しかしその圓生自身が本当に「上手い ! ! 」と感嘆するより他なかったのが三遊亭小圓朝です。
確かに文楽、圓生、志ん生の独自の個性は感じられないかもしれません。ある意味、華が無いと言うことはできるかもしれません。しかし小圓朝の話を聞いていると思わず、「上手ぇなぁ。。。 」と唸ってしまうより他ありません。音源からはその所作は見えませんが、音だけでその所作のこまやかな動きがビシビシ伝わってきます。そして噺の中から豊穣に香り立ってくる“江戸”のにおい。究極のところまで精錬し尽くした教科書と言えるのかもしれません。これこそ名人中の名人の噺として唸ること間違いないでしょう。
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二代 広沢虎造 「清水次郎長伝」 石松金比羅代参 / 石松三十石船道中 |
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| 二代 広沢虎造 ( 浪曲 ) |
| ( テイチク : TECR20108 ) |
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「旅行けば駿河の国に茶の香り」の台詞で始まる「清水次郎長伝・石松三十石船道中」。そこから錆びの効いた虎造の歌と語りが始まります。するともうそこは江戸時代の街道の賑わいの中。
「呑みねぇ、呑みねぇおい呑みねぇ、寿司を食いねぇ、もっとこっちに寄んねぇ、江戸ッ子だってね」
虎造の語りは将に大人の子守唄(笑)。傍若無人でありながら人懐っこくておっちょこちょいの石松の様子が目に浮かんできます。もちろん全十六巻すべて聞き物。個人的には艶っぽくていなせな「追分三五郎/追分宿の仇討ち」の回など好きなのですが、一般的にはやはりこの「石松三十石船道中」が一番有名でしょう。
東京生まれの虎造が浪曲の本格的な修行をしたのは、実は大阪。東京に戻ってから大阪訛りが抜けなかったりして苦労したこともあるようです。また声がそれほど大きくなかったのでマイクが発達して人気が出るようになったり、浪曲の中では異色の部分もある虎造。しかし今では虎造なくして浪曲を語ることはできません。
虎造の語る 「清水次郎長伝」は、日本語がこれほどまでに豊かな言葉であることを実感できる代表的なものだと言って良いでしょう。ご家族揃って美しい日本語を堪能するのにピッタリの音源 (^^;) 。家族で車で遠出する際、家族全員で楽しめる最高のBGMだとの意見もあるとか、ないとか。。。
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| 中村鶴城 ( 薩摩琵琶 ) , 横山勝也 ( 尺八 ) |
| ( ピパルス工房 : WPCR-19043 ) |
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車に乗ってお客さんのところを回っていたとき、何となしにNHK-FMをつけました。そのとき耳に飛び込んできたのは、峻厳と引き締まった薩摩琵琶の音と心からの情感が乗った謡いでした。その音楽の素晴らしさに思わず車を止め、何かに魅入られたかのように30分間放送に聞き入ってしまいました。
放送されていたのは、薩摩琵琶・中村鶴城による『敦盛』でした。
琵琶と申しますと、小泉八雲による『耳なし芳一』が知られています。そこで題材とされた本来の平家琵琶は思いのほか地味な音楽で、音楽というよりも語りが主です。語られる内容はドラマティックでありながら、その伝承は放浪芸のひとつとして地道に伝えられてきたことを強く感じさせます。
弱冠16歳でありながら敗軍の将として一ノ谷の戦いで熊谷直実に討たれる平敦盛。その敦盛の幼さに自分の我が子を思い出し、逃がそうとする直実。しかし直実の後ろには、見方の軍勢が近づいてきます。その直実に敦盛は「ただ疾く疾く首を取れ」と急かし、熊谷は涙ながらに首を取ります。
平家物語に流れ続ける縹渺とした寂寞をダイレクトに伝えるこの作品。それを鶴田錦史の弟子である中村鶴城が激しくも、冷え切った演奏を繰り広げていました。それを偶然、NHK-FMで耳にしたのでした。
その後すぐに彼のCDを購入し、演奏会にも足を運び、その音楽に心揺さぶられました。販売されているCDの中でも特に秀逸なのがここで紹介する『コンサート・ライブ’95/琵琶・日月の韻』です。その演奏会の不思議な縁については、中村鶴城氏の美しく、心のこもったライナーノートで詳しく書かれています。実に素晴らしい演奏です。
始終取り出して聞くCDではないことは確かですが、是非とも皆さんに耳にしてもらいたいCDです。録音も秀逸です。
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琴古流尺八/山口五郎 ( 日本音楽の巨匠 Masters of Japan ) |
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| 山口五郎 ( 尺八 ) |
| ( ビクター伝統文化振興財団 : VZCG-505 ) |
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自然の音をそのまま模したと称される尺八。竹林を吹き抜ける風の音。ほのかに竹の香りもして、自分自身の体がまるで耳だけになってしまったような感覚。聞こえてくるのは、ただ風の吹き抜ける音。。。
明治に入り、虚無僧尺八が衰退する一方、より一般的な楽器として姿を変えていく中で幅広く受け入れられたのが琴古流。その琴古流の演奏家で人間国宝を授与された演奏家が山口五郎です。1999年に65歳で逝去しましたが、多くの録音が残されています。残された録音の中で最も重要なのは『人間国宝 山口五郎 尺八の神髄(尺八本曲)』ですがちょっと手を出すには値段が (^^;)
その中でやっとお勧めできるタイトルが販売されました。それがこちら。山口五郎にしか出せない自然な呼吸と暖かい響き。竹林の風であってもひんやりとしたものではなく、心の芯からジワジワ温かくなっていく優雅で格調高い演奏がここに聞けます。
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| 中村明一 (尺八) ・ 宮下伸 ( 箏・十七絃 ) |
| ( fontec : FOCD3189 ) |
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縹渺とした静かな中から静かに浮かび上がってくる尺八の響き。その尺八の響きが、おぼろげな姿からやがてしっかりとした光を放ちはじめると同時に、箏の響きがたゆたってきます。その様子は、山裾から上ってくる満月、そしてその山裾にかかる雲の姿のようです。
ライナーノートで作曲者自身が述べている言葉。「輝こうとして輝くのではなく、むしろ光を篭らせながら静かに立ち昇っていく。」一曲目の『皎月』は、その言葉どおりの音楽になっています。無音の部分も多いのですが、その無音が凛とした緊張感とともに、心地よい静寂へと導きます。寡黙な音楽。その音楽に耳を傾けることで、より一層の音への驚きを体験できる一枚です。
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| 善養寺恵介 ( 尺八 ) |
| ( Northan Lights Records : NLRCD-5100 ) |
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虚無僧尺八の世界では『一音成仏』という言葉があります。ひとつの音をひとつの音そのものとしてあるべき自然さで吹くことで、自ずから成仏に至るとの考え方が背景にあるようです。虚無僧尺八の古典本曲は、明治以降衰退していましたが、復興の祖となったのが神如道。その神如道が名付け親となっているのが善養寺恵介です。
中学生の頃から既に完成の域にあり、現在ではする尺八演奏家の中でも一番の実力者の善養寺恵介。師の神如道を髣髴させるとも言われ、冷え冷えとした自然さは良くぞこの時代にとの思いを強くします。一音一音が、山紫水明そのものとなっています。録音もよくお勧めです。
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| 海童道 ( 法竹 ) |
| ( Universal Music : UDC-499 ) |
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尺八よりもより竹本来の響きを生かすため、自然の竹に穴をあけただけの法竹(ほっちく)。独自の呼吸法の哲学から禅思想を展開した海童道(わたづみどう)。彼の1968年の録音です。
その独自の哲学思想については様々な論議があるようですが、ここに聞く演奏は深々としながら気迫の篭った秀逸のものです。心安らぐ音楽とは趣は異なりますし、アクの強さを感じる部分もないわけでもありません。しかし、それ以上にこれだけの音楽を聞かせられると、これはこれで偉大だと思うことも確か。なかなか手に入りにくい音源ですが、尺八を聞く上では避けては通れない演奏家のひとりです。
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| 宮城道雄 ( 箏 ) |
| ( ビクター財団 : VZCG-501 ) |
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お正月になると何処からか必ず聞こえてくるあの音楽。箏(こと)と尺八の音に乗って奏でられる音楽は、宮城道雄の『春の海』です。一見、日本古来の音楽であるかのように思われますが、箏と尺八という編成ではまず演奏されたことがありませんでした。宮城道雄はその編成での音楽を始めて演奏した人物です。
名曲として知られる『春の海』ですが、その魅力が伝わるきっかけになったのはフランス女優ヴァイオリニスト、ルネ・シュメーとの共演によるレコードがきっかけだったそうです。尺八ではなく、ヴァイオリンが知られるきっかけだったとは意外ですが、このCDで収録されているのはそのルネ・シュメーとの共演のものです。ちょっと新鮮な響きがしますが、これもまた良し。それ以外にも、宮城道雄の代表曲がまとめられていてお勧めのCDです。
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