テレサ・テン(ケ麗君)というと、「8時だヨ!全員集合」に良く出ていたなぁ〜という意識で、歌の上手さには舌を巻きつつも、今ひとつピンとこないのが実状でした。しかし、彼女の最高傑作誰もが認めるこのタイトル。これを初めて聴いたときは、まさに目からウロコ、耳からウロコでした。
日本でのテレサ・テンは、レコード会社の意向で演歌の要素を強くして売り出されていたようです。しかし彼女は、中国圏や東南アジアでは圧倒的な評価を受けていますが、その本当の実像はこのアルバムに現れているようです。
中国の宋代に数多く作られた「詞」を基にしてアレンジしたこのアルバム。1983年に発表されるとともに大きな話題となり、香港でアルバム・オブ・ザ・イヤーも獲得しています。もともとの「詞」が古典としても著名なものであるため、非常にひとつひとつの曲が何とも言えぬ格調の高さを湛えた傑作です。
一曲目の≪独上西楼≫をはじめそのほかの曲も素晴らしいのですが、私が何度聴いてもその「詞」の深さとともに涙腺が緩んでくるのが二曲目の「但願人長久」。宋代の詩人として日本にも大きな影響を与えた蘇東坡による「詞」の曲は、「詞」の格調とその内容、その背景を知れば知るほど味わい深いものです。
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